【感情労働】への【具体的】な【方策】①
みなさん、こんにわ。
前回は医療職が現場でいきいきと働くための良い方法について書かせて頂きましたが
今日も酷使する「感情労働」に対して、どんな方法を取ればストレスの管理がしやすいのか具体的に書いていきたいと思います。
「感情労働」の支援策として、「事前対応策」と「事後対応策」と二つが大事になってくるといわれています。
・【事前対応策とは】
ここで書く事前対応策は個人で行える事からチームとして取り組むべき事までを書いていきます。
1)個人として
現場では相手を理解し適切な対応をするために傾聴力や誤解を受けないようなわかりやすい説明力、いわゆるコミュニケーションスキルが求められます。
具体的にいうと「生活歴が多様で容態や状況の異なる個々の患者さん・利用者さんと意思を疎通し良好な関係をつくる技能、患者さんや利用者さんの感情を和らげたり、前向
きな姿勢を引き出す技能、職場の同僚・上司との良好な関係をつくる技能」という事です。
実際、これらのスキル不足が原因でクレームなどに発展する事もあり、謝罪のために感情労働を行使する場面を自らが作ってしまうケースも少なからずあると思います。
区別が少し難しいですが、「相手と自分との間に良好な関係を築いていくための方法やコツ」といったソーシャル(対人関係)スキルも同様に求められます。
働き始めてから先輩の背中を見て覚えたり、何度も患者さんと接する中で自分なりに構築していくものだとは思いますが、そこで悩んでいる方にはコチラがおススメです。
私が作業療法士なので、その分野で申し訳ないですが…
「笑顔」や「患者さんからの評価」は私たちの働くパワーになりますが、ある程度のコミュニケーション・ソーシャルスキルを用いないと難しい所がありますよね!
本当は、スタッフが一定のスキルを習得できるように職場が研修会や勉強会を定期的に行う必要がある所だと思います(接遇面だけではなく…)。
2)チームとして
①「感情労働に関する情報共有と学びあい」
集団(チーム)における学びには、個人の経験だけでは得られない気づきや発見があります。チームでのミーティング、勉強会、研修会などを通して学びあい、教えあい、
切磋琢磨する中で感情労働に関する情報や暗黙知などが伝授され、共有されていきます。自らの言動を客観的な視点で省察する場としても有効だそうです。
研修会のようなフォーマルな場だけでなく、上司、同僚との日常的なさりげない会話の中からも例えば、相手との適度な距離を保つちょっとしたコツなど暗黙知や気づきを得ることもあります。
医療職では必須の「対象者」との距離感って大事ですよね。「ここでこれを言っていいのかな…?」、「今これを言うべきではないかな…?」など流動的な会話の中で、その
コツをつかんでいかなければなりませんが、この技能を身につける前に疲れ切って離職してしまう事も少なくないそうです。
そういった職務体験から得た知識をチームという「場」を通して共有し、マニュアルでは学びきれない暗黙知である絶妙なバランスを同僚や上司から伝授され、体得していく
ことが大切です。
②チーム・メンバー全員が必須事項を共有
対人サービスの現場では相手の個別具体的なニーズへの対応を求められる事が多く、役割・責任の範囲が不明確になりやすいという特性があります。
役割や職務の範囲の曖昧さが過度の業務量、ストレス、精神的疲弊をもたらし、前述した「深入り」にも繋がっていく可能性があります。
「何が自分たちの役割なのか、どこまでがすべき事なのか」など組織全体の方針を前提に、チームとして役割および業務の範囲を可能な限り明確化し、共有する事が必要です。
又、経営理念に基づく価値観・判断基準はチーム内の相互学習・研修、ミーティングなどさまざまな機会を通して全員が共有する事が非常に重要です。
なぜならばサービスに対する価値観や判断基準の相違がチーム内の人間関係などに軋轢をもたらし、ストレスの原因になることが少なくないからです。
その人のタイプにより職務の捉え方、取組姿勢は異なりますが、この相違がときに温度差となりチームメンバー内に不協和音をもたらし人間関係やチームの連携に負の影響をおよぼす事があります。
相手への対応において「何をすることが一番重要なのか」など、職務の目標・意味を徹底的に話し合い共有する必要があります。
個々のメンバーのタイプ・価値観を超えたチームとしてのルール・判断基準をよく話し合って取り決め、共有する事により、目標に向け一体感が醸成されチームの連携が強くなり、チーム力の強化に繋がります。
その前提があってはじめて各個人の個性・持ち味が活かされてきます。
3)組織として
これは組織(会社、病院)の運営や理念に関する方策なので、私たちの声が直接届きにくく、すぐ取り掛かる事のできない範疇になっているので書かないでおこうと思います…。
・【まとめ】
今日は「感情労働」への支援策として「事前対応策」を書いていきました。
すぐに個人で取り組める所もあったり、チームとして「取り組むべき目標を共有する」ためにミーティングや勉強会を行う必要性を感じていただけましたでしょうか?
次回は、事が起こってから対応するべき「事後対応策」について書いていきたいとおもいます。
ちなみに、看護・リハビリに対する価値観の違いや熱量の差みたいなものがあると、冷めている人に対して、とてもストレスを感じませんか?
そういうものって先輩に相談するだけでは中々心がスッキリしない所があるので、チーム内で話し合いの場を何度も持つ事が大切だと私は思います。
「感情労働」という言葉を先輩が知っているかは別として、理論的にマネジメントしないといけないという社会的な流れになってきているので、興味がある方は読んでみてください。
作品の紹介だけでなく、本気で職場からメンタル不調の人を出さないためにも必要な観点だと思います。
先輩への説明も、理論付けてできると思いますよ!
最後まで読んで下さりありがとうございました。少しでも何かの役に立てれば嬉しいです。