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看護師さんの善意とホスピタリティ

みなさん、こんにちは。

あらゆる病院や施設で看護師さんに対して、「思いやりと優しさ」・「暖かい心」・「ぬくもりのある看護」などの先見的なイメージがあると思いますが、SNSなどを見ると、その看護師としての「善意」に、疲れてしまうケースが少なくないのではないかと思います。

相手に最良の看護を届けるためには、もちろん理念に沿った役割や行動が求められますが、時としてその理念に縛られすぎる事により、精神的なパワーを継続的に消耗させている可能性があると考えます。

医療職のような「感情労働」を行使する仕事が、心に否定的な影響を与える因子として「我慢」という点が含まれています。

感情規則に基づき、自然に生起する自身の感情を抑えたり、逆に誘発したりするなど自己の感情管理をサービスの現場では求められます。

「感情規則」というのは、看護師としての価値観や理念、病院が掲げる看護理念にのっとった看護師像とイメージしていただければと思います。

働きながら自分本来から生起する感情を抑制し、その看護師像にふさわしい行動をとるための感情の管理を「感情管理」といいます。

それを考えると、相手の言動に対して、自分の心に自然に生起する感情(怒り、悔しさ、辛さ、悲しさなど)を抑制・管理し「我慢」することを職務の一環として日常的に行っている状態だと思います。

もちろん、「我慢」することは相手が適切な精神状態になるように誘導するために職務遂行上必要となりますが、度重なる「我慢」は大きなストレスとなり、過剰な精神的負担を課すことにつながります。

また、「感情労働」には、相手に対して悔しさや怒りなどを感じたとしても、自らの感情を管理し、「顔で笑って心で泣いて」のような「演技」によって適切な外見を維持することも求められます。

ここでいう「演技」とは悪い意味ではなく、職務を遂行するにあたって「表層演技」と「深層演技」という言葉があり、「表層演技」とは本来の自分自身の感情とは異なっても、表面上は「感情規則」にそってボディランゲージや作り笑いなどを使い、自分の外見を変えようとする方法です。

一方「深層演技」とは、表面的にそうした「ふり」をするのではなく、心からそう思うように自分の心に働きかけ、本来の自分の感情を変えていく方法です。

普段仕事をするうえで、無意識でもどちらかの方法を使っている場面が多いのではないかと考えます。

ただ、その「我慢」や「演技」も、相手からの「笑顔」や「称賛・良い評価」が得られる事により、仕事の達成感や満足感が得られたり、もっと仕事をレベルアップしていきたいと思うような「自己承認」・「有能感」が芽生えます。

そのため、「我慢」・「演技」は仕事を継続していく上では欠かせない要素だと思います。

悲しいですがわたしたちの仕事の特徴として、相手にサービスを提供した時に、相手はこちらにお礼を言ったり、称賛をしないといけない義務があるわけではありません。

そのため、相手からの「笑顔」や「称賛・良い評価」がもらえない時期が続くと必然的に仕事へのやりがいや達成感が得られず、何のために仕事をやっているのか?と思いたくなる事が多くあると思います。

その時に看護師さんとしての「善意」に疲れるケースが多いのではないかと考えます。

わたしたちの心のパワーを満たしてくれる因子として「笑顔」・「称賛・相手からの良い評価」は必須ともいわれています。

「ホスピタリティ」という言葉があるように、サービスが一方通行でなく、受ける側もこちらが行う行動に対して感謝の気持ちを持ち、こちらが喜びを感じている事が相手にも伝わり、共に喜びを共有するという関係が成立したら、どれだけ幸せなことでしょうか。

そうすることで「善意」に疲れることも嫌気がさすことも、とても少なくなるのではないかと思います。

「ありがとう」という言葉を強要するとなると、今までの看護師さんの歴史や理念とは違ったものになるため、私の意見に反対する方も多いと思いますが、

私たち医療職が仕事を疲弊せず続けていくためには、「笑顔」・「称賛・良い評価」は必要です。

サービスを開始する時点から、両者が感謝の気持ちを持って接する「ホスピタリティ」が実現出来たら、幸せですね!

疲弊する看護師さんも絶対に減ると思います。

最後まで読んで下さりありがとうございました。何か少しでもお役に立てると嬉しいです。

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