【理不尽な要求】に対応するのは個人ではない
みなさん、こんにちは。
SNSで医療職の方のつぶやきなどを見ていると、患者さん・利用者さん・その家族からの「理不尽な要求」にストレスを感じている方が多い印象を受けます。
私も作業療法士として働いていた頃は、何度もそういったケースに遭遇する事がありました。
その時よく「これって、自分が対応するんじゃなくて管理者とかお医者さんが対応するべきじゃない?」と思っていましたし、実際対応させられていた事も多くありました。
よく考えると、この「理不尽な要求」に個人で対応させられている状況はおかしく、病院・施設・事業所全体で対応するべきことなのです。
もちろんその状況について上司に報告・相談したり、メンバー内で情報共有は行われるのですが、結局解決に至らない事って多くないでしょうか?
「感情労働」という観点からいうと、わたしたち医療職は常に本来の自分に湧き出る感情を抑制し、その職業の役割に沿った感情や行動を取っています。
その中で「演技」・「我慢」といった要素を否定的に継続的に行っていく過程で精神的に疲弊していくといわれています。
「理不尽な要求」でなく普通に仕事を行う上でも精神的なエネルギーを使っているのにもかかわらず、「理不尽な要求」に対応し続けるとなると、考えるだけで疲弊してしまいますよね。
「理不尽な要求」に組織として対応する際、必要といわれているのが、「クレーム対処のための専門組織の設置」です。
部署をまたいで構成され、クレームに対応したり、次にそういった事が起こらないような対策を考えるという位置づけになります。
もう一つは、経営のトップ(理事長や院長など)が現場でサービスを行うスタッフの事を考え、あまりにも理不尽な要求をする方は、病院・施設側からお断りするという事です。
実際に行っている病院もあるそうですが、これって実際に行われている所は少ないのではないでしょうか?
良くいえば「患者様第一」という言葉で、対応してくれているようで上辺だけの相手との話し合いが行われ、結局「理不尽な要求」に組織として対応する事はなく、何の根拠もない軽いアドバイスをこちらは受ける程度です。
この記事で何が言いたいかというと、そういった「理不尽な要求」を受けた時に自分だけで抱え込もうとせず、身近な上司に相談し対応してもらう事が一番大切だと思います。
本来「理不尽な要求」に個人として対応するという事は、スタッフがかなりの精神的ダメージを受けるという事を組織が分かっていなければなりません。
そうなった時に、「自分だけでは無理だ」と感じたら、すぐに身近な上司に対応をお願いしましょう。
自分だけで抱えて疲弊してしまったら、やりがいのあった仕事に嫌気がさし、自尊感情も低下してしまいます。
「上司にお願いした自分は弱い人間だ」なんて思う必要はありません。
「理不尽な要求」には組織全体として対応しなければならないのは、当たり前だと考えても良いぐらいです。
仕事に誠実な人ほど、その要求に対応しないといけないと考えこんでしまう傾向にあると思います。
そういった頑張る人が疲弊してしまうのは、おかしいと思います…。ので、医療業界にそういった観点が持ち込まれるように、色々と頑張っていきたいと思います。
最後まで読んで下さりありがとうございました。何か少しでもお役に立てると嬉しいです。