1人で悩む、20~30代の医療職の方へ!

周りよりも頑張る人こそ受けている大きいストレス・悩みに少しでも役に立てる情報を発信

やりがいのある【医療職】を【疲弊】せずに続けるための【ストレスケア】とは?②

前回「感情労働」が心にもたらす良い影響について説明させて頂きましたが、今日は反対に悪い影響を説明させて頂きたいと思います。

度々書いていますが、疲弊しないためには良い影響を増やし、悪い影響をできるかぎり減らす事が重要です。

そのため今日の記事で良い面・悪い面の両面から捉える事ができれば、何となくストレスを感じる点に気づく事ができ、対処ができるのではないかと思います!

 

・【ネガティブな影響をもたらす5つのキーワード】

 

①「我慢」

私たちのような医療職は感情規則(自分の自然に感じる感情とは別に、その職務にふさわしい感情)に基づき、

自然に起こる自身の感情を抑えたり誘発したりするなど自分の感情管理(感情規則にそって自分の感情をコントロールする)を現場では求められます。

特に感情を抑圧する場面では必然的に「我慢」を強いられる事になります。

もちろん我慢する事は、相手が適切な精神状態になるように誘導するために職務遂行上必要となりますが、度重なる「我慢」は大きなストレスとなり過剰な精神的負担を課す事に繋がります。

相手の言動に対して自分の心に起こる感情(怒り、悔しさ、辛さ、悲しさなど)を抑制・管理し、「我慢」する事を自分の容量以上に日常的に行っている方は多いのではないでしょうか?

 

②「演技」

感情労働」には相手に対して悔しさや怒りなどを感じたとしても自らの感情を管理し「顔で笑って心で泣いて」のような「演技」によって適切な外見を維持することが求められます。

目の前にいる相手との関係を良好な関係にしたいという目標があれば、その目標の達成に向かって演技であっても「笑顔」で対応する事で

相手から好意を得られる事もあるので良い面もありますが、「自分は演技をしているのであって不正直だ」と自分を非難したり、「自分」と「演技をしている自分」を区別しているからこそ、すこし皮肉な考えを持ってしまう可能性はあるそうです。

仕事上相手に好意をもってもらうために日々使っている行動ですが、それが報われない状況が続いたり、その行動をとり続けなければならない方々を一日中受け持つ状況が続くと精神的に大きな消耗ですよね…。

③「一体化」

「心のこもった温かいサービス」を提供したい個人としての感情と仕事上の役割としての「心を込めた」サービスとの境界線が曖昧で、あたかも個人と仕事が一体化したかのような状態の事をいいます。

相手との関係が良好である場合は「心のこもった」応対は高い評価を受ける事にもなり、個人としても充実感・達成感を得る事ができ職務満足に繋がります。

しかし逆に相手からクレームや攻撃を受けるとき、職務上の役割に向けられたものととらえられずに個人としての自分に向けられたものと誤解し思い悩む事が少なくないそうです。

自分自身と役割を切り離す事ができなくなるときストレスを一層感じやすくなり、精神的に過度に疲弊する事があるといわれています。

④「深入り」

私たちの仕事のように中長期的な期間、特定の相手との関係を継続する場合、前述した作り笑いや親切な「ふり」をする表層演技は深い信頼関係を築くうえでむしろ弊害となることもあります。

相手に信頼されるための「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」はとても大事な事ですが、心を込めて相手のためにと一心不乱に全力で対応し、

より良いサービスを目指し相手に深く関わろうと「深入り」していく過程で、自分に自覚がなくとも「心のエネルギー」を大量に消費しており情緒的資源の枯渇に至るケースも少なくないそうです。

私も何度も経験がありますが

自らの役割に誠実な人ほど日々接する対象者と、このような感情のやり取りを繰り返していく中で疲弊し、消耗していくといわれています。

⑤互酬関係

感情労働の特性の一つといわれていますが、私たちが心を尽くして感情労働を行使したとしても、その行動に対して感謝を示す義務は特にないという事です。

喜びや感謝を表し、ねぎらいの言葉をかけるなど肯定的に反応を返す方がいる一方で、当然の対応であると特に反応を示さない方もいます。

感情労働の努力が評価されず一方通行で報われない事が頻回に続くとき、私たちは虚無感とともに精神的疲労が解消されず溜まっていくといわれています。

報われない事が続くときって本当に気分が落ち込みますよね…。

・【まとめ】

この5つのキーワードを見て思うのが、良い看護・リハビリを提供する事に確実に必要な点ですが、一線を越えたり過度に蓄積されると精神的に辛くなるため、そこの微妙なコントロールが難しいですよね。

医療職として「優しい心」や「丁寧な対応」等、当たり前とされている事なのは自覚していますし、お礼を言われなくても仕方がないと思いますが、たまには「ありがとう」

と一言だけでも賞賛の言葉がほしかったり、何か少しねぎらいの言葉を頂きたいのが恥ずかしながら私の本音です…。それが心の疲弊を軽くしてくれるのですから。

仕事をしながら、何がプライベートの自分で何が仕事上の役割として演じている自分なのか明確な線があるわけではありません。

「自己の要素が役割に流れ込むのを許しつつ、それでいて役割が自己にもたらすストレスを最小限に抑えるようなやり方で、自己を役割に適応できるか」が本質的な課題ともいわれています。

賛否両論あると思いますが私は仕事をしながら自分が疲弊しないようにこう考えます

・対象者とのやり取りで自分がイライラしても、それを受け入れて良いと思います。決して「こんな気持ちが沸き起こる自分は医療職としてダメなんだ」という事ではないと思います。

・人は必ず相手との相性があり全ての人に好かれる事は難しいと思っています。適材適所という言葉があるように、一人の患者さんを得意とする人もいれば苦手とする人もいるので、自分の許容範囲を超えてでも接しないといけないという状況が多いのであれば正直に先輩に伝えて良いと思います。決して恥ずかしい事ではありません。

・もしも患者さんから攻撃的な言葉が発せられたり否定的な事を言われても看護師、セラピストという「仕事上の役割」に対して向けているのであって決してプライベートも含めた、そのままのあなた全てに向けているものではありません。

(症状がそういう発言や行動を起こしてしまっている場合も多いです)

次回は、「こうすると少し心が楽になるかも」、「こういう仕事環境だったらいきいきと働けそうだな」など、自分が考えている事を思うままに書いてみようと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございます。少しでも何かの役に立てれば嬉しいです。

 

感情労働」について分かりやすく説明されています。

自分が何にストレスを感じていたんだなというのが、個人的には分かりやすい本でしたよー。

 

 

お問いあわせ

 

<