頭の中に湧き出た考えやイメージを見つめる
みなさん、こんにちは。
以前の記事で、自分の感情が否定的な方向に傾いた時に「今、自分の頭の中には何が思い浮かんだのだろうか?」と自問してみる事をすすめましたが、
今日はその考えが「本当に現実的な考えなのか?」を見つめる方法を説明します。
なぜこの方法を説明するかというと、気持ちが抑うつ的な気分になると、自分に起こる物事や考えを否定的な目で見てしまいます。
その否定的な解釈に続いて、「悲しみ」、「怒り」、「虚しさ」など様々な否定的な感情に結びつきます。
この「自分の頭の中に湧き出た考えやイメージを見つめる」作業によって、嫌な感情に結びつけている考えの偏りを修正できる事が可能なのです。
一度では難しい方も少なくないと思いますが繰り返す事によりできるようになってくると思いますので、ぜひ試してみて下さい。
考えを見つめる方法として、自分に一つ質問をします。
「この考えが正しいと思う根拠は何か?」、その後に反対に「この考えに反する根拠にはどんな事があるか?」、二つの目線でみてください。
例えば、一人でいる時に「自分はこの仕事に向いていないだろう」と頭に考えが浮かび、悲しい気持ちになったとします。
多分この時点で「言葉」のイメージと並行して、毎日うつうつと働く自分の後ろ姿や、やりがいを感じきれないまま何となく働いている自分の映像も浮き出てきていると思います。
その時に、まず「この考えが正しいと思う根拠は何か?」と客観的に考えてみます。
そうすると、「あまり褒められないし、誰からも評価されないから」や「やってて楽しみを感じる事がない」という理由が出てきたとします。
次は反対に「この考えに反する根拠には何があるだろうか?」と考えます。
すると「この前、リハビリ中に褒められた事があったな」とか「最近、周囲からも認められてきたし、このまま続けてみても良いかな」など、反する根拠も出てきます。
そのどちらを自分がどの程度確信するかという事が、後の感情に繋がるわけですが、
気持ちが抑うつ的になっていると、この否定的な考えに対する根拠しか見えなくなり、良い方の根拠は見えにくくなってしまいます。
実際、極端に「仕事にむいていない」という事実が全てではありませんが、そういった思考になってしまうのです。
両方の面から考えてみると、もしかすると良い方の根拠が多いかもしれません。
たとえ、良い方と悪い方の両方が同じだったり、悪い方が少し多かったとしても、極端に「この仕事に向いていない」と確定づける根拠は無いに等しいと思います。
ただ、この記事でお伝えしたかった事は、仕事に疲弊したり、心のエネルギーがなくなってきた時に、人はそういった否定的な解釈をしがちになるので、一旦リラックスできる状況を作り、自分の感情が動かされた場面で「今、何が自分の頭の中に浮かんできたか?」を考え、その思考を両方の側面から見てみる事をおススメします。
あくまでも個人で行うストレスへの対処は方法の一つであり、現場のスタッフが疲弊したり心のエネルギーがなくならないように、工夫していくのは職場を管理する立場にいる方々が考えなくてはいけない事だと思います。
現在の医療職の現場はそういったストレスのマネジメントやケアの視点を持って、実際に実践している所が少ないと思いますので、これから医療職の方が疲弊しないようなケアや環境つくりに取り組んでいけたら良いなと思っています。
最後まで読んで下さりありがとうございます。何か少しでもお役にたてると嬉しいです。